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「ジェノサイド」高野和明 [BOOK]

だいぶ前から話題になっていたし、入手してあったのだが、あまりの厚さにためらっていた。しかし、読み始めたら止まらずに、結局ほぼ一気読み。

以下ネタばれです。

ストーリーは、創薬化学を研究中の大学院生・研人(この名前、いいですね)のもとに亡くなった父からメールが届くことから始まる。父の指示に従って古い本を開くと、息子への指令があった。父の小型PCを誰にも渡さない、都内某所の取り壊し間近の古アパートに父が作ったラボで、一カ月である薬を完成させる、誰にも言わない、そんなミッションに困惑する研人。
ウイルス学者の父はいったい何をしていたのか?それが分からないまま、急激な流れにのみ込まれていく。

一方、アフリカの奥地では、「見たことのない生物」(?)を探すミッションのために各所から集められた傭兵4人が活動。米国大統領からのこのミッションも詳細が分からない極秘のものだが、ここで見つけたのは頭の大きな幼児だった。実はこれ、人間の進化した高等生物であり、驚異的な頭脳を持っていて、一緒に行動する科学者のPCを使って通信の暗号をとき、アメリカの裏をかいたり、衛星画像を傍受したりしている。(さすが高等生物)

傭兵の一人イエーガーは、自分の息子が難病で死にかけている。高額な治療費のためにこの危険なミッションに参加しているが、実はその息子の病気を治す薬が、この生物の力によって今、日本で開発されそうになっていることを知る。しかしこの生物も自分たちもアメリカから殺される運命にあることを知り、共に逃げることになる。

研人の研究は一筋縄ではいかないし、いろいろな妨害を受けて困難を極める。しかし、以前はどちらかというと漫然と生きていた彼なのに、同じ化学者である父のことを知り、理解し、尊敬して薬を作ろうと頑張る姿は読んでいてジンとくる。

そんな感じで舞台を往き来しながら物語は進んでいき、さらにもうひと山ある感じ。

エンタテインメントとかミステリーという意味ではとても引きつけられるこの作品、惜しいのはこの高等生物がイエーガーの子どもの難病の薬を作る理由だろうか。。。

アウストラロピテクスと我々が違うように、我々と未来の人間も違うんだろうなと思う。でも、次第に進化するものだろうけれど、この物語のように突然、進化した存在が現れたら怖いだろうなぁ。


ジェノサイド

ジェノサイド

  • 作者: 高野 和明
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/03/30
  • メディア: 単行本



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